赤ずきんの森の神戸人形

このところとても暖かい日が続きます。
この時期、毎年こんなに暖かかったっけ?
ソメイヨシノも咲きだしそうな陽気です。
遅ればせながら工房の前の小さな梅の木も、やっと花を咲かせました。

今日は読書のお話。

「赤ずきんの森の少女たち」という本を読みました。
現代の神戸と、19世紀末ドイツの寄宿学校をつなぐ物語。
神戸弁が出てきて嬉しくなります。
グリム童話「赤ずきんちゃん」のモデルとなったとされるドイツの町が主な舞台で、その時代の文化もとても興味深く、また、ハラハラした謎解きやSF的な要素もありとっても面白い本でした。
それから、ひと癖あるけど賢くてパワフルな少女たち。
読んでいるこちらも元気が出ます。
アニメやドラマなど、ビジュアル化したものを見てみたいと思いました。

なんと、このお話のわりと重要なところに神戸人形が出てくるんです!

つい最近、NHKのドラマに神戸人形が出た~ってご報告したところですが、今度は小説に登場しました!

実は、去年の春くらいに著者の白鷺あおいさんがウズモリ屋に取材にお越しになったんです。
神戸人形の歴史について色々お尋ねになり、熱心にメモされていました。
それから日本玩具博物館へも取材に行かれたそうです。
この2月に本が出版され、さっそく読ませていただきました。
神戸人形がどんなふうに登場するのか、興味が湧いた方はぜひご覧になってみてくださいね。

赤ずきんの森の少女たち – 白鷺あおい|東京創元社

神戸人形が世界中に土産物として持ち帰られたという明治の中頃に思いを馳せると、100年以上も昔の事なのにワクワクしてきます。
西洋社会から見れば東の端っこの国のちっぽけな人形に、どれだけあっと驚かせられたことでしょう。
当時の作者たちが「どんなもんだい」と密かに思いながら作ってたんかな~と、想像が膨らみます。

明治中頃から昭和初期までの、ほんの5、60年というとても短い期間に、何人もの作者が競い合って神戸人形を作っていた。
きっと西洋人に売り込むプロデユーサー的な人物もいたことでしょう。
こちらが本家だ、いやうちだ、と、題材を模倣するものが現れたりもしたでしょう。
明治から大正の、西洋文明がどーっと入ってくる激動の時代の神戸。
野口百鬼堂や、出崎房松らがその中で相手を出し抜きながら暴れまくる。
頭に映像が浮かんできませんか?
映画にしたらきっと面白いと思うんです。

これを誰か本にしてくれないかなあ。
大正ロマンが流行りそうな今、ばっちりマッチしてると思うんだけどな~。

(担当 守津)


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